2020/1/21(火)
新聞記事
令和2年1月21日 建設通信新聞

改正品確法・運用指針
災害時対応を明確化
自民・品確議連に報告
業務は独立して記載

改正公共工事品質確保促進法(品確法)に基づく、発注関係事務の共通ルール「運用指針」の全容が、明らかになった。法改正に基づき、緊急度に応じた随時契約の活用など災害時の対応を明確化したほか、公共工事に関する測量、調査、設計が法の対象として明文化されたことを受け、業務に関する独立した章を新設した。働き方改革や生産性向上にも対応し、適正な工期設定や施工時期の平準化、BIM/CIM、ICT活用などに関する内容も充実。運用指針は月内にも開く関係省庁連絡会議の申し合わせを経て正式決定する見通しで、4月1日から指針に基づく発注関係事務の運用を全面展開する。

20日に開催した自民党・公共工事品質確保に関する議員連盟(品確議連)の総会で運用指針の改正内容が報告された。品確法改正の趣旨を踏まえ、▽災害時の緊急対応の強化充実▽働き方改革への対応▽生産性向上への取り組み▽調査・設計の品質確保――の4つのポイントを中心に作成した。今回の運用指針の改正に対しては骨子案、本文案あわせて4000件を超える意見が寄せられた。

災害対応関係では、工事の緊急度を勘案して随時契約などを適用することや、書面での契約を行うことを明記。概算数量で発注した後、現地状況を踏まえて契約変更を行うなどの対応も可能であることも盛り込んだ。平時には各種団体と災害協定を締結し、災害対応に関する工事、業務の実施や費用負担、訓練などについても定めることとした。

測量、調査、設計など業務については、新たに運用指針に独立した章を設けた。これまでのように工事に準じて適用するのではなく、独自のルールとして設定。技術的に高度または専門的な技術が要求される業務や地域特性を踏まえた検討が必要となる業務については、プロポーザル方式による技術提案を求めることを明記した。

働き方改革に関連して、工事の実施が困難であると見込まれる日数の考慮や実工期を柔軟に設定できる余裕期間制度の活用、繰越明許費・債務負担行為の活用などの取り組みを記載。生産性向上については、受発注者双方に、BIM/CIMやICTの活用を求め、作業の省力化や情報共有の効率化に努めることを求める。

国土交通省など関係省庁は運用指針策定後、内容の周知徹底に向け、全国規模での説明会の開催や相談窓口の開設を予定。詳細を記す解説資料も別途作成する。