第193回国会 参議院 環境委員会 議事録
2017年6月8日(木)
 
本日の会議に付した案件
◇廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改正する法律案
◇特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律の一部を改正する法律案
◇地方自治法第百五十六条第四項の規定に基づき福島地方環境事務所の設置に関し承認を求めるの件
◇政府参考人の出席要求に関する件

委員長(森まさこ君)

廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改正する法律案、特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律の一部を改正する法律案及び地方自治法第百五十六条第四項の規定に基づき、福島地方環境事務所の設置に関し承認を求めるの件、以上三案件を一括して議題といたします。

質疑のある方は順次御発言願います。

佐藤信秋君

自民党・こころの佐藤信秋でございます。

今日は、三つの法案ということで、それぞれにちょっとずつ伺いたいと思っているんですが、どちらかというと実務的な面を少し確かめたり御要望を申し上げたりしたいと、こんな趣旨でやらせていただきたいと思います。ですから、大臣には最後にでも基本的な決意を鋭意やっていただくと、こんな感じでやりたいと思います。

最初に、廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改正する法律案、廃掃法と言っておけばいいんでしょうかね、廃掃法につきまして幾つか御質問をさせていただきたいと思います。

課題が二つあるんですね、これ。環境省の説明資料、質問の便宜上ちょっとお手元にもお配りしましたけど、二つあって、一つは、廃棄物の不適正処理事案の発生からどう解決していくか、もう一つは、雑品スクラップ。雑品スクラップというのは、定義は、この前も参考人の質疑で、定義はない、具体的なという話ではありましたが、保管等による影響を少なくしていこうと、国内、国外。まずは国内の分を、出口と言えばいいんでしょうかね、出口の方をできるだけ環境にいいもの、取扱いやすいものにしていこう、こういう趣旨かと思います。

ということで、最初に、この前の参考人質疑なんかも踏まえまして、ちょっと基本的な質問から入りたいと思うんですが、最初に、一般廃棄物処理業、それから産業廃棄物処理業、この許可の問題ですね。これ、許可を取り消すというのがこの前ダイコーの案件で出てきましたけど、そもそもの許可は誰がどんなふうにしているのかというようなことをまず最初にお聞きしたいと思います。

佐藤信秋

政府参考人(中井徳太郎君)

お答え申し上げます。

廃棄物処理法上、一般廃棄物の収集運搬業及び一般廃棄物処分業の許可は市町村長でございます。また、産業廃棄物収集運搬業及び産業廃棄物処分業の許可は都道府県知事及び全国六十九の政令で定める市長が行うこととなっております。

佐藤信秋君

この前あったのが、ダイコーのときに、一般廃棄物も入っているということもあって、どう整理していくか多少の時間が掛かった、それから、事業の取消し、許可の取消しと、こういうことになるとそこから先が手が出せないといいますか、そういう問題があったと、こういうことだったと理解しています。許可取り消された人に対して、事業者に対して、今度は、措置の強化で取り消した後も必要な措置を命ずると、こういうことになっておるわけですね、今回そうしようと。そうすると、これは誰が取消しをするのか、混ざっているような場合が一番難しいとは思うんだけれども、それも含めて、取消しの許可ということをどんな手続で現状やっているかと、こういうことでしょうかね、ここをお聞かせください。

政府参考人(中井徳太郎君)

お答え申し上げます。

廃棄物処理業の許可を取り消された者等に対する対策の強化といたしまして、これらの者がなお廃棄物を保管している場合には、一般廃棄物を保管している場合には市町村長、また産業廃棄物を保管している場合には都道府県知事等がそれぞれ基準に従った保管そのほかの措置を命ずることができるというふうに今回しておるところでございます。

これによりまして、例えば、適正な処理が可能である別の廃棄物処理業者が廃棄物を引取りに来るまでの間に生活環境保全上の支障が生じないよう、処理基準に従って保管を行うよう命じることができるということを想定してございます。

佐藤信秋君

ということで、この前のダイコーですかね、みたいな事案は両方処理業を持っていたと、こう理解するんですが、そういうことではなかったんでしょうかね。両方持っているから知事も市町村長も両方が同時に許可取消しをやらなきゃいけないと。あるいは片方だけ持っていたら、もう一つ、一般廃棄物もあるようだからこうだったよというふうに、これは行政同士の間でちゃんと連絡してねと、こういう形になっているのか、一緒に両方許可を取っているんだから両者がやると、こういうことだったのか、どちらでしょうかね。

政府参考人(中井徳太郎君)

前回のダイコーの事案におきましては、基本的に、産業廃棄物ということで愛知県が産廃の監督官庁としての対応を取ったということなんですけれども、その中に、これは一般廃棄物と産業廃棄物が入っていたのかどうか、その事実の認定も含めまして、いろいろ手間取ったということであろうと考えております。

愛知県が産業廃棄物処理許可業を持っておるダイコーに対する指導監督を行う中で、この許可を取り消した場合には保管等の措置が命じられないということが明確でございましたので、今後はそういうことがないように、今回の法改正で対応するというものでございます。

佐藤信秋君

ということで、そこが紙マニフェストではなくて電子マニフェストなら、連携の取り方が取りやすいというか検査の仕方がやりやすいというかフォローがやりやすいというか、そういうことを前提にして今回改正するということなんですね、これ。許可を取り消していてもちゃんと適正に処分しろというのも入れたから、取消しは取消しでしやすいと。まあ言ってみれば、もたもたしているからと、こういうことではなくて、速やかにやることはやってくださいというのが後押しになるだろうという趣旨だと勝手に理解しますが。

電子マニフェスト、こういう議論になって、そういう点が改善されるという大前提だとは思うんですけれども、これは多分一歩前進ということを考えてのことですよね、これ。この電子マニフェストを義務付けるというものについては、特定の産業廃棄物を多量にと、こういう規定にしていると。そうすると、この特定というものと多量というもの、どんなことを想定しているか、今のような事案を防げるのかと。ここは、だからちょっと違うかなとは思うけれども、一歩前に出ますと、こういう趣旨でやっていただいているのかな、やろうとしていただいているのかなと、こう思いますけれども、その辺を御説明お願いします。

佐藤信秋

政府参考人(中井徳太郎君)

お答え申し上げます。

今般の事案の反省等にも鑑みまして、電子マニフェストというものをより有効活用していくということが今般の事案の今後の予防ないし事案が発生した場合の対応等を迅速に進めるという上でも極めて重要であるという認識を持ってございます。

その一環としまして、マニフェストの罰則の強化というものに加えまして、電子マニフェストにつきましても義務化ということが今回の検討となったわけでございます。

今回のそういうような状況の中での義務付けの対象範囲としてこの法律でお願いするところにつきましては、特定の産業廃棄物ということでございますが、これは、廃棄物処理法第二条第五項に規定いたします特別管理産業廃棄物を想定しておるところでございます。この多量排出者ということになってございますが、多量とは、年間五十トン以上排出する排出事業者ということを想定しておるところでございます。

佐藤信秋君

特別管理産業廃棄物、これは、具体的に今は何になっているんだったですかね。

政府参考人(中井徳太郎君)

お答え申し上げます。

アスベストでありますとか水銀でありますとか、有害の物質につきまして特別の管理が必要だということで政令で定めてございます。

佐藤信秋君

ということで、この場合の、じゃ直接的には、物品というか廃棄物としてはそれをターゲットにするわけではないと、今回は。

ということで、一つ一つシステムをそろえながら一歩一歩前に出ていこうと、こういう趣旨だと、こう理解します。この前のは動植物性残渣といいましたかね、ということだから、マニフェストを広げながら、やがていろんな整理がきちっとできるようにと、こういうので一歩前に出ていきましょうという趣旨だと理解をしました。

そこで、マニフェスト情報というのが、現在では、電子マニフェスト、情報処理センターというところのシステムに集まって、これはいただいた資料の二枚目に入れていますけど、集まって、排出事業者と収集運搬業者と処分業者とそれぞれやり取りをしている分を処理センターで集めて、それを自治体に提出すると、処理センターから。これは、この前の参考人のお話だと動植物性残渣、それだけだと中身が分かりませんわね。だから中身の議論もいろいろこれから変えていくんだと、こういう趣旨だと勝手に理解していますけどね。

そこで、ただ、みんな入れというときに、今のところ、やっていただいているのが、登録件数が四割ちょっと。これは、100%というか、少なくとも特定の産業廃棄物については100%やってくださいねと、大量に処理する人たちですね、それをどんどんどんどんその辺から始めてどんどん高めていきましょう、やがては100%この処理でいきましょうと、こういう趣旨ですよね。

そうすると、そのセンターの業務というのが、今のところ、紙のマニフェストもやっているんでしょうかね。紙のマニフェストもやって、それから電子マニフェストもやると。電子の方はフォローがしやすい、紙もあるから紙の部分も処理していかなきゃいけない、両方やるということになるとそれなりの、両方やるというのは、その電子マニフェストをどんどんお勧めしながらやるということになると、人員的に今がどうで、その辺は充実していくようなことということもターゲットというか、処理としては考えながらやっていくということにしていった方がいいなと、こういうことだと思うんですが、現状はどうなっていますかね。

佐藤信秋

政府参考人(中井徳太郎君)

お答え申し上げます。

廃棄物処理法第十三条の二第一項に基づく情報処理センターといたしまして、公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センターが指定されております。この法人は東京都千代田区二番町に所在しておりまして、情報処理センターの業務に携わる職員数は現状で十七名というところでございます。

このセンターの陣容、現状はそういうことでございますが、先生御指摘のとおり、この陣容につきまして、今後の業務量に応じて同センターにおいて検討を実施されるものと承知しておりますけれども、環境省といたしましても、業務が適正かつ確実に実施できるよう、適切に監督してまいりたいと考えております。

佐藤信秋君

というのは、多分、今はまだ排出者からどれだけの量が運搬されて、運搬業者もたくさんいるでしょうからね、そして処分業者のところにまたそれがそれぞれどれだけ行くと、そんな一連の流れとしてセンターで捉え切れている、だから自治体にもその結果を報告しますと、こういう形にまではなっているのかな、いないのかな、どっちでしょうかね。

政府参考人(中井徳太郎君)

この情報処理センターが、廃棄物処理法十二条の五第八項に基づきまして、環境省令で定めるところによりまして、電子マニフェストの登録及び報告に係る事項を自治体に報告してございます。現状、四十七都道府県、六十九の政令で定める産業廃棄物処理業の許可権限を有する政令市、合計百十六自治体につきまして情報提供を行っておると。

この報告に係る情報につきましては、電子媒体、CD―Rでこのセンターから各自治体へ送付しておるほか、各自治体は、インターネットを通じまして情報処理センターへアクセスすることによって確認することが可能と、こういうふうになってございます。

佐藤信秋君

ということで、排出から処分まで一貫して電子マニフェストなら追いやすいんですと、こうなっているのかどうかということを、ちょっと気になるんですよね、今の話でいうと。

自治体の側も、アクセスしたら、元々ここから出たものがこんなふうに分散処理になっているよと、そんなことがすぐ分かるのか。たしか、報告は一年分まとめて出すと、こういうふうにも伺ったり、まあアクセスしたいときはできると、しかし、一年分をまとめて出すよと。そうだとすると、これ自治体側の受ける方も、常時監視ならともかく、一年分こうやってCDもらっても、そこのフォローがフォローしやすいような形になっておるかどうかというようなところがちょっと気になったもので、その辺は質問にはあらかじめは入れていなかったんだけれど、ちょっと気になりましてね。どうでしょう。

政府参考人(中井徳太郎君)

お答え申し上げます。

先生御指摘のとおりに、法律上、この情報処理センターといたしましては、自治体に対しましては年一回報告するという義務ということで、先ほど、この電子マニフェストにつきましては電子媒体で送付しているということがございますが、その常時監視ということにつきましては、電子システムを使いますと可能であるという状況の中で、処理センターでの、インターネットで、そのシステムで、これは自治体からアクセスしてもらわないといけないわけですけれども、見れるような形になっておるということでございます。