トップページ > 活動レポート
 > 公共事業発注機関の皆様への緊急アピール >平成21年5月29日 日刊建設通信新聞記事 




2009/05/29(水)
公共事業発注機関の皆様への緊急アピール
平成21年5月29日 日刊建設工業新聞

国交省
「名ばかり営業所」
排除



中小対策で地域要件適正化
総合評価 下請の貢献度も評価




国土交通省は、経営環境が厳しさを増している中小・中堅建設業者に対し、公共工事の受注機会を十分に確保するための取り組みとして、工事を発注する際の入札参加資格として設定する建設業者の地域要件の適正化などに乗りだす。実質上は稼働していない事務所を入札参加時に支店・営業所として申請する、いわゆる「名ばかり営業所」を排除するため、発注契約後に営業実態を厳格に確認する案を検討。総合評価方式の入札で下請業者などの地域貢献度に応じて加点する案や、地元中小・中堅業者向けの工事では入札参加業者の範囲を地域性をより重視して絞り込む案も検討する。国交省は、国会で審議中の09年度補正予算案の成立後に、これらの適用を始める方向で調整する。


28日に開かれた自民党の日本経済再生戦略会議(町村信孝会長)で、政府が中小企業者の受注機会の増大策を説明し、この中で国交省が検討中の施策が提示された。自民党の国土交通部会(福井照部会長)と「公共工事品質確保に関する議員連盟」(品確議連、会長・古賀誠選対委員長)が、21日にまとめた緊急アピールに地域要件の適切な設定を盛り込んだことから、国交省が対応策を検討していた。


検討中の取り組み案によると、名ばかり営業所の排除では、在籍している技術者の名簿をチェックしたり、法人住民税や事務所の水道代、電気代などを確認したりすることにより、営業所として実際に機能しているかどうかを把握する方向だ。名ばかり営業所の疑いがある場合は、建設業許可部局に通報する。


建設業者の地域貢献度の評価については、現状では、元請業者の取り組みだけが評価対象となっているため、下請業者や資材業者が自治体などと結んでいる災害協定や、災害対応への積極的な参加に対しても総合評価方式の入札で加点する方向で検討を進める、WTO政府調達協定が適用されないBランク業者向け工事が対象になるとみられる。


防災や交通安全対策など地域の実情に精通した建設業者が施工することが望ましい工事については、入札参加者の対象地域を設定する際、より地域性を重視した区域にしていく考え。主にC、Dランク業者向けの工事が対象となりそうだ。例えば、対象地域を県内全域ではなく、生活圏に絞り込むような方法を想定している。こうした取り組みは現状でも実施されてはいるが、対応状況にばらつきがあるという。