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2011/6/24(金)
新聞記事
平成23年6月23日 建設通信新聞



がれき処理
国の代行と全額負担明記
特措法案、自公共同提出へ







自民党は21日、東日本大震災で発生した震災がれき、海中がれき、津波堆積物(ヘドロ)の処理を本来担わなければならない市町村に代わって、国が直轄で行うことを可能にすることなどを柱にした、「東日本大震災により生じた災害廃棄物の処理に関する特別措置法案(がれき処理特措法案)」を決めた。公明党と連携し、早期に自公共同法案として提出する。自治体ががれき処理で二の足を踏む大きな理由だった「地方負担分」もさかのぼって、国が全額負担するのも大きな特徴。法案が成立すれば、本格復旧・復興の障害となっていた「がれき処理」が大きく進むことになりそうだ。(20日付一部既報)

自民党の東日本巨大地震・津波災害の法整備等緊急対策プロジェクトチームの小里泰弘座長は21日のがれき処理問題関係部会合同会議で、「がれき処理措置法案」を提示し了承された。政策会議、総務会など党内手続きを週内に終え、早期に公明党と共同提出する。

法案は、災害発生後100日が経過しても、がれき処理の仮置き場までへの撤去率が東北3県で2割程度にとどまっているなど、「これまで自民党は、復旧・復興へ向け3次にわたる提言をしてきたが、がれき処理の実態は進んでいない。被災地や専門家の声を含め検証した結果、もう待っていられない」(小里座長)として、自公共同提出に踏み切る。

震災がれきは、環境省推計で東北3県合計で約2500万トン。既存法制度上、一義的には基礎自治体(市町村)に処理義務がある。県への代行も可能なほか、処理費用は将来的に交付金の形で自治体負担分を国が補償するが、一時的には地方負担分が発生する。このため、市町村や県は地方負担分や代行に伴う事務手続きの煩雑さを当初から問題視、国直轄による代行を県や市町村が求めていた。

今回提出する特措法は、東日本大震災のがれき処理に限って、既存法制度の枠組みを変えて、国が主体的にがれき処理をする姿勢を明確に打ち出した上で、国の代行処理や当初から国が全額負担することを明記した。市町村や代行委託を受けた県などから要請があれば事実上、がれき処理の国直轄化が実現する。

また、復興庁など次の枠組みが固まるまでの間、「がれき(廃棄物)法制度を所管する環境省の対応が遅いから進まないとの指摘も踏まえ、直轄処理の場合、国土交通省と連携して対応することを求めている」(小里座長)。

このほか、震災がれき問題の陰に隠れていた、海中がれきやヘドロについても国が処理する責任を明記したほか、地方建設業界から自治体によって異なると指摘のあった、がれき処理の積算・契約についても、統一的指針の策定を盛り込んでいる。