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2019/11/27(水)
新聞記事
令和元年11月22日 建設通信新聞

手すり先行工法義務化/足場点検者の要件限定
反対を要望
有効性認識も弊害を危惧
日建連、全建ら

日本建設業連合会(山内隆司会長)と全国建設業協会(近藤晴貞会長)、建設産業専門団体連合会(才賀清ニ郎会長)、全国中小建設業協会(土志田領司会長)、全国建設労働組合総連合(勝野圭司書記長)など6団体は21白、東京・永田町の自民党本部で建設職人基本法改正原案検討委員会の委員長代理(議長代理)を務める林幹雄自民党幹事長代理と面談し、法制化へと動き出しつつある「手すり先行工法の罰則付き義務化」と「足場点検実施者の要件の限定」に反対する考えを改めて示した。各団体とも同工法の有効性は認識しているものの、義務化によって生じる弊害も少なくないとし、時間をかけた十分な検証とそれに基づくコンセンサスの重要性を訴えた。

会談後、日建連の山内会長は「林幹事長代理に今回の内容を十分に理解していただいたので、良い方向に向かうと思う」、才賀会長は「この議論が収束していくことを期待している」とそれぞれの所見を述べた。

手すり先行工法の義務化を反対する理由として、「組み立て場所や足場の形状などによって、手すり先行工法を採用することが困難な場合が多く、本足場であっても『すペての足場』を手すり先行で組み立てることが可能な現場は皆無に等しいこと」「手すり先行工法でも妻側・躯体側は開口部となるため、親綱の設置と安全帯の使用が並行して必要であり、作業手順の誤りや不安全行動があれば災害は発生すること」を挙げている。

その上で、義務違反に伴う罰則や新たな資材調達が事業者への過度な負担になりかねないほか、足場の技術的進歩の阻害、無理な工法適用による労働災害リスクの増大を懸念している。

足場設置者以外の第三者を点検実施者とする要件の限定については、「点検内容の不備により労働災害が発生したという報告はなく、最大の問題は足場の組み立て時などに点検が実施されていない事例が生じていることであり、点検が不適切に行われていることではない」「足場の点検強化は法定点検の励行に尽きるのであって、点検実施者の要件を法令で定め限定することは問題の解消につながらないばかりか、点検実施者の減少などを招きかねない」ことに加え、第三者ではなく原則施工業者が足場組み立ての安全管理責任を負っていることなども反対理由に盛り込んだ。

2015・2016年に発生した建設業の墜落災害(死亡災害262件)をみると、本足場の組み立て・解体中は10件。足場の崩壊などを除いた最上階からの転落は8件で、そのうち手すり先行工法が3件、在来工法が5件。ともに安全帯を使用していなかったことが要因だったため、団体関係者は「安全帯の使用徹底など法令順守の取り組みを優先させるべき」と力を込める。

また、死亡災害に官民格差が生じているとの指摘に対し、「死亡者数は民間工事より公共工事の方が少ないが、工事量を勘案すると、発生頼度は公共工事よりも民間工事の方が少ないとみることができる」と話している。