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第169回国会 災害対策特別委員会 第5号
(災害対策樹立に関する調査
 (平成二十年岩手・宮城内陸地震による被害状況
及びその対応に関する件))
2008年6月20日(金) 午前10時20分開会
佐藤信秋君
 佐藤信秋でございます。
 私の方からは、政府参考人に二、三御質問をさせていただきたいと思いますが、最初に、亡くなられた皆様の御冥福を心からお祈り申し上げたいと思います。そしてまた、まだ行方不明になっておられる皆様の一日も早い救出を祈るところであります。被災された皆様に心からのお見舞いを申し上げたいと思います。
 そこで、最初の質問でありますが、今まで震度六強あるいはまたマグニチュード七を超えるこういう大きな地震の被害としては山腹崩壊といったような非常に特徴的な今回の被害があるのかな、そんなふうにも思っているところであります。またもう一点、公共物の被害といいますか、その辺がおいおい明らかになってくるんだとは思いますが、激甚災害指定等の関係からいけば、一日も早くそうした被害の実態を把握することもまた必要なことであります。
 そういう意味で、今回のこの地震被害の特徴、それから、特に激甚災害指定等に関して実態把握を急ぐ、こういう問題があると思いますので、この点について政府の対応をお聞きしたいと思います。

政府参考人(加藤利男君)
 まず、御質問の今回の地震の特徴でございますが、今回の地震は、先ほど大臣から御報告があったように、土砂災害によりまして複数箇所で生き埋めとなる方が出るなど、山間部に被害が集中しているということが大きな特徴として挙げられるのではないかというふうに考えております。
 六月二十日、今日でございますが、八時現在で死者十一名、行方不明者十一名、負傷者が三百十二名といいました被害に加えまして、土砂災害によりまして道路の寸断や河道の閉塞などが多く発生しているところでございます。
 政府といたしましては、総理の御指示に基づきまして、関係閣僚会合や関係省庁連絡会議の開催を通じまして、関係省庁で連携しながら被災者の救出活動、道路、水道等の復旧作業など各般の災害応急対策、復旧対策に当たってきたところでございます。
 なお、これも先ほどの大臣の御報告にございましたが、発災後直ちに泉防災担当大臣を団長といたします政府調査団を派遣をいたしまして現地調査を行い、一昨日には総理が現地に赴かれ被災現場を視察されまして避難所を訪問されたところでございます。
 なお、一昨日の関係省庁連絡会議においては、被災後初めて被災地にまとまった雨が翌十九日に降るというような予報が出されましたことから、更なる土砂災害の発生が懸念されますので、雨による二次災害防止について協議を行い、昨日、現地において関係機関が参加して二次災害防止に関する連絡会議を開催いたしまして対応に当たっているところでございます。
 引き続き、総理からの御指示の下で、被災地方公共団体とも連携協力しながら、政府一体となって被災者の支援や被災地の早期回復に万全を期したいと考えております。
 もう一点、激甚災害の指定についてのお尋ねであったろうと思いますが、現在、この激甚災害の指定に当たりましては、その前提となります復旧に要します事業費等を把握する必要がございますので、現在それを鋭意急いでいる段階でございます。

佐藤信秋君
 今、平野委員の御質問にもありましたように、復旧を大急ぎでやる、応急復旧やる、これはみんなで、国も地方公共団体も一緒になって、また地元の建設産業の皆さんも大変な思いをしながらすぐにボランティアで活動していると、こういう状態だと聞いています。そういう意味ではみんなで力を合わせてやっていかなければいけない。
 そこで、河川にしろ道路にしろ、大掛かりなものは系統立てて国で直轄でやってほしいという要望が両県知事から出ている。また、市長さんたちと私もじかにいろいろ連絡を取ったりもしているんですが、そういう意味では、自分たちがやれることは何でもやりますと、何でもやりますが、いかんせん被害が大変広範にわたっているので、できるだけ国や県の力も借りながらと、こういうようなことも実は私の方にも連絡が来たりしているところであります。
 そこで、今御質問申し上げたのは、激甚災害、局激の指定、こうしたこと急ぎますよね、これが一つ。それから、それ以前に応急復旧とにかく急がなければいけない。そうだとすると、直轄で、今までやってなかった部分、直轄で系統立てて、これは大事なことだと思います、平野委員の御質問のとおりだと思います。
 それからもう一つは、いわゆる災害査定といったような形でしっかりと、どのぐらい掛かりそうかな、そんなことを査定しながら災害復旧の国庫負担法に乗るかどうかというようなことをやっている暇がないんですね、実はこれは。その前にもう片付けていかなきゃいけないんですね。そうすると、直轄でやる場合には、その部分は後で整理ができる、公共団体の場合にはなかなかそこが難しいというのが従来の姿ではあったんですね。だから、とかく起きている現場そのものをなかなか手が付けられないと、こんなことも今まで弊害としてというか災害査定制度の弱点としてありました。
 ここのところは、とにかく片付けてしまってから後ででもいいじゃないですかと、こういう議論が大分進んできていると思います。河川局長からこの点について明確に、どうぞ早くやってくださいということを、答えとしては期待しているんですけど、そういう仕組みにしたということをしっかりとお答えいただいて、現地が大急ぎのことはとにかく自分たちでやれること全部やるんだと、後で、何とか災害復旧等の査定も後で付いてくるんだ、こういうことで安心して取りかかれるようにしっかりと答弁していただきたいと思いますが、いかがでしょう。

政府参考人(甲村謙友君)
 佐藤先生御指摘のとおり、前回、中越地震におきましてもそのような趣旨の通達を発しております。その後、今年に入りまして、平成二十年の二月十三日に防災課長から各県に対して、被災した公共土木施設の災害復旧工事については、施設管理者が被災状況や現地状況に応じて責任を持って速やかに行うこと、その際に、災害査定前に施工した応急工事についても災害復旧事業費に含まれるものとされており、それらを含めて災害査定を実施して、災害復旧の工事を定めるということで通達をしております。さらに、今回の地震を受けまして、六月十六日付けで河川局の防災調整官から同趣旨を被災関係県市に連絡をしております。
 できるだけ、応急工事も含めて、速やかに復旧に掛かっていただきたいということでございます。

佐藤信秋君
 時間が参りましたので要望だけしておきたいと思いますが、現地で、実際にはこういう工法がいいかなと思って現地でやってしまった、そこはできるだけ現地の判断を尊重して、そしてできるだけ丸々認める、これがまた大事なことなので、是非そうした方向でお願いしたいと思います。
 質問を終わります。